北上市の市民憲章には「鬼」の文字が！？

2023年5月23日

　岩手県北上市の市民憲章には通常の市民憲章ではほとんど見られない「鬼」の文字が出てきます。

　

北上市市民憲章

あの高嶺　鬼すむ誇り

その瀬音　久遠の賛歌

この大地　燃えたついのち

ここは　北上
市民憲章・市民の歌／北上市公式ホームページ (city.kitakami.iwate.jp)

　一般的に　鬼　は恐れられる存在として描かれることが多い存在ですが、市民憲章の鬼は北上市で伝承されている伝統芸能「鬼剣舞」の鬼を表しています。この鬼は角が無く、災厄を鎮める神としての側面を持っているのです。

目次 [ close ]

鬼剣舞

　北上みちのく芸能まつりのほか、市内外の各種イベント、結婚式などでも披露される鬼剣舞、2022年には全国の風流芸能団体とともに「風流踊（ふりゅうおどり）」としてユネスコ無形文化遺産に登録されました。

鬼剣舞の起源は、1300年前にさかのぼります。大宝年間(701～704)山伏・役行者が天下泰平、五穀豊穣、万民繁栄を願って舞った念仏踊りが始まりとされ、その後、戦の出陣・凱旋の際に踊られたのが広く世に伝わったと言われています。いかめしい面をつけて踊ることから一般に「鬼剣舞」と呼ばれていますが、鬼ではなく仏の化身であり、面には角がありません。面の色には白・青・赤・黒の4色があり、白面だけは「一剣舞」と呼ばれ、リーダー格の者1人だけが付けます
鬼剣舞／北上市公式ホームページ (city.kitakami.iwate.jp)